大和一酒造元の蔵に湧きだす温泉水
人吉温泉の発祥は500年以上前の室町時代。熊本の南部一帯を治めていた相良氏の12代領主相良為続が明応元年(1492年)に林温泉「湯楽寺」に泊まり、温泉に浸かったという記録が残っています。 以来、この地には「湯の元観音」が祭られ、湯の神神社も建てられています。
本格的な温泉開発がすすんだのは明治期から。人吉温泉には北原白秋、斎藤茂吉、若山牧水、徳富蘇峰、田山花袋も宿泊。文化人にも愛されました。
大正から昭和にかけては、多数の公衆温泉ができ、その数は20軒を超します。それは今も、温泉を求めてやって来る旅人と庶民の憩いの場となっています。
明治期創業の大和一酒造元は、人吉温泉発祥の地(林温泉)に位置し、昭和初期には公衆浴場が蔵に併設され賑わいました。
高度経済成長も終わり、みんなが新しい道を模索していた1976年(昭和51年)、当時、大和一酒造元の社長であった下田猛(現会長)は悩んでいました。
「『美味しい』だけではない焼酎を造りたい。」 「できるだけ体に負担の少なく、健康に役立つような商品を造りたい。」そう思い立ちました。
そこで、人吉には温泉がふんだんにあることに着目し、温泉で焼酎は造れないかと考え、研究に取り組み始めました。
人吉の様々な泉源からお湯を汲んでは焼酎に適する泉質を探し求め、温泉の研究者を訪ねては温泉の効能を問いました。
しかし、そこには壁が立ちはだかりました。醸造の専門家からは、アルカリ性の温泉水だと発酵がスムーズにできず良い焼酎はできないと指摘されました。酒造業を管轄する国税局や保健所の認可がなかなかもらえないという壁もありました。
しかし、下田猛はあきらめませんでした。
「盲蛇に怖じず!」知識よりも行動で壁を乗り越えようと、何度も何度も試行錯誤を繰り返しました。
完成まで10年、ようやく温泉水を全工程で使用した温泉焼酎を商品化することができました。昭和61年(1986年)のことでした。
人は、古くから温泉が健康増進に役立つことを経験的に知っています。「湯治」として、長期間温泉施設に滞在し、温泉に浸かったり、温泉を飲んだりしながら病気を癒してきました。江戸時代には「効能」に関する番付表もありました。
近年、温泉の効能を科学的に明らかにする取り組みが活発です。昭和29年に当時の厚生省が、温泉の「適応症」や「禁忌症」を定めましたが、平成26年には環境省がこれを改訂し、「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは」というパンフレットを発行しました。そこには「一般社団法人日本温泉気候物理医学会の協力の下、最新の医学的知見と科学的根拠を踏まえた…」とうたわれています。より科学的で合理的な研究が温泉利用の分野で進んでいるようです。
このパンフレットは環境省ホームページからダウンロードできます。
炭酸水素塩・塩化物泉
大和一酒造元に湧く温泉水は、この2つの泉質が混ざり合ったもの。2つの温泉の効果が期待できます。
環境省のパンフレットによると、以下のような作用があると言われています。
炭酸水素塩泉 | 塩化物泉 | |
特徴 | 俗にいう“美人の湯”。 陰イオンの主成分 が炭酸水素イオン。 皮膚の角質を軟化する作用があります。 | 俗にいう“熱の湯”。 陰イオンの主成分 が塩化物イオン。 皮膚に塩分が付着するため、保温効果・ 循環効果があります。 |
飲用 | 胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、 耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症 (痛風) | 萎縮性胃炎、便秘 |
浴用 | きりきず、末梢循環障害、冷え性、 皮膚乾燥症 | きりきず、末梢循環障害、冷え性、 うつ状態、皮膚乾燥症 |
※炭酸水素塩泉は、かつては「重曹泉」と呼ばれていました。重曹(炭酸水素ナトリウム)は、医薬品としても販売されています。
炭酸水素塩泉は、胃酸を中和するために、逆流性食道炎や胃十二指腸潰瘍に良く、尿のアルカリ化を促進するために痛風にも良いようです。さらに、胆汁分泌を促進し、過血糖を低減するため糖尿病にも良いと言われているのです。
※塩化物泉は、塩化物イオンの働きで、胃液の分泌、消化を促進するために萎縮性胃炎に良く、腸のぜん動運動を促進するために便秘にも良いようです。
このような効能は、湧出したばかりの温泉水に関するものであり、温泉焼酎の効能を直接的に示すものではありません。また、温泉の飲用は1日当たり約500㎖までと言われています。
温泉焼酎にBTB溶液を垂らすと鮮やかな青色に!(アルカリ性を示しています)
一般的な焼酎は黄色(または緑色)になって、酸性(または中性)を示します。
温泉焼酎は、仕込みから割水まで弱アルカリ性の温泉水を使用。だから、焼酎も弱アルカリ性です。
温泉焼酎夢【特撰】では、pH8.5を超えています。
人の体は、呼吸や腎臓などの働きによって、体液をpH7.4の弱アルカリ性に保つように懸命に頑張ってくれています。
ビールなど、お酒のほとんどは酸性で、おつまみも肉や魚など酸性食品にかたよりがち。
体も、あまり頑張りすぎると、こわれてしまいます。 食事もお酒もバランスが大切。弱アルカリ性の温泉焼酎をお役立てください。
二日酔い
楽しく飲んだ後のいやな二日酔いの症状。この原因は、複数の要因が重なったものだと考えられています。それは、
①アセトアルデヒドの蓄積 ②体調不良 ③酒に含まれる不純物 ④メチルアルコール ⑤※酸塩基平衡のアンバランス などなど
※酸塩基平衡のアンバランスというのは、食事やお酒などで体が酸性に傾いてしまうこと。そうならないように注意して爽やかに飲みたいものです。
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